どのようなビジネスをやろうか考えることは、起業・独立の第一歩になります。
私の周りの人を見ていると、
元々雇われて働いていた仕事の延長 のビジネスで起業する人が多いように感じます。
例えば、
広告の仕事をしていた人が独立して広告の仕事を一人で請け負ったり、
健康食品の商品企画の仕事をしていた人が独立して健康食品の商品企画の会社を作ったり、
つまり働いていたときのビジネススキルを活かして独立している。
中小企業におけるビジネスの重要な事は、 専門性 です。
この会社は何をしてくれる会社なのか?
この人は他の人にはないどんなスキルを持っているのか?
これを明確にすることが生き残る道です。
これを決めることこそ、起業の一番難しいところかもしれません。
一方で、大企業はこれに当てはまりません。
大企業は何でも仕事を引き受けられるのが特徴です。
大企業が仕事を引き受ける基準は
どんな仕事か? よりも、 どれくらいの規模の仕事か? です。
専門外の仕事なら、下請けやグループ会社に仕事を投げればOKですし、
やったことがない新事業なら、そのような課を作ってしまえばいいのです。
話は逸れましたが、ビジネスにおいて専門性を極めることは重要です。
どのようにしてスキルを身に付け、専門性を極めるかはいくつかの方法があります。
今回は5つ紹介していきたいと思います。
その分野を学べる学校に入る
人生設計が出来ていて、一番無難な事が学校に入ることです。
大学や専門学校、もしくは高校の選択でも専門性が身につくかもしれませんね。
学校入学の良いところは、2~4年という年月と、週3~6日という頻度で学校に拘束されるため、
自然とその分野に関わる時間が増えることです。
必死に学んで、卒業するころには確実にその分野の人間になれているでしょう。
悪いところは、時間とお金がかかることです。これは考えれば分かると思います。
民間資格を取得する
最近、○○検定〇級 というのが非常に増えました。
このような民間資格は、受講資格が誰にでもあり、いつでも受けられます。
ただもちろん合格するためには勉強が必要になります。
市販で売っているテキストを買ったり、ネットで調べたり、YouTubeでまとまってる動画を見たりと勉強方法はいくらでもあります。
独学に近い形になりますが、試験を受けるということはその分野において広い知識が必要になるので、
なかなかの専門性を身に付けることになります。
民間資格の良いところは、時間が自由に設定できることと、費用が安いこと。
受講料の1万円前後とテキスト代ぐらいで専門性を身に付けられます。
一方で悪いところは、
知識のみの専門性となること、
本当に自信を持てる専門性なのか微妙なところ、
試験が終わってすぐにビジネスに繋げないとすぐに失われる知識であること、
入口としては悪くない専門性の身に付け方かもしれませんが、
本当の専門家になるにはもう一歩工夫が必要でしょうね。
学びたい専門性のビジネスをしている会社に入る
こんな仕事で独立したいと思っているようなら、
その仕事を既にやっている会社に入るのが一番いいです。
その専門性が身につくという事だけでなく、
管理方法や営業方法、業務や税理など、会社運営していくうえで必要な事を学べるチャンスもあります。
会社が長年試行錯誤して得たノウハウを濃縮して学べるのは最高ですね。
2~5年分はショートカット出来るでしょう。
また、独立後の取引先の算定にも大いに役に立ちます。
価格相場が分かることはもちろん、
このビジネスを行うにはどんな企業にどんな依頼をするとスムーズなのか?という事も重要です。
企業なんていくらでもあるんだから、ネットで探せばいい。と思うかもしれませんが、
企業のHPを見ただけでは、実際にその企業がどこまでやれるのか、は分かりません。
当然ですが、HPを見てもらったら少しでも仕事が舞い込んでくるように工夫してあります。
出来ないことは明確に出来ませんとは書かず、専門性が無くても少しでも出来れば出来ますと書いてあるからです。
独立後も双方の信頼性を生かして、働いていた会社と同じ取引先を選ぶ人がほとんどです。
一番近道ではありますが悪いところは、
任される業務によっては学びが少ない可能性があること、
入る会社によっては全然非効率で、良い方法が学べない可能性があること、
そもそも、その専門性の企業に入れない可能性があること、 などが挙げられます。
冒頭でも挙げましたが、大体周りで独立している人はこのパターン、
もしくは何となく入った会社で専門性を学んだ結果、いけそうだな!と思って独立するパターン
の経営者が多いですね。
親族の会社を継いだ私としては、
専門性を学んで、しがらみのない独立を選ぶこのパターンは非常に羨ましくもあります(笑)
専門関連の本を読みまくる
専門関連と言っても、分厚い専門書ではなく、
その分野の人が書いている文庫本のように、読みやすい本がいくらでもあります。
1冊の本をじっくり読むのも良いですが、専門性が全くない状態の場合、3冊は違う著者の本を読むことをおすすめします。
読みやすい文庫本で知識をかいつまんで習得してから参考書で一から学ぶことで、
文庫本で得た知識を使ってさらに知識を広げられるのでおススメです。
一方で悪い点は、
知識習得のゴールが分かりにくいこと、
まだ全然専門性を習得出来ていないのに、中々の知識を習得したと勘違いしやすいこと が挙げられます。
個人的には、本を読み漁るだけでなくアウトプットできるかの確認として、
2番目に挙げた 民間資格の試験を受講する のと並行して行うと良い方法かなと思います。
現行のビジネスから拡大する or 新規事業として立ち上げる ことで専門性を身に付ける
これまでの専門性の身に付け方は、独立する前を想定して紹介しましたが、
最後は独立した後に専門性を深める内容です。
会社はこのビジネスをしなさいという決まりはありません。
独立してから新しいことに挑戦してもいいのです。
というか、新しいことをやらないと、長年会社としては生き残れません。
会社の新しいビジネスとして、会社も自分も専門性を深めていけばいいのです。
ノウハウが無いなら無いなりに、必死に習得していけばいいのです。
ここで大切な事は、専門性がまだ浅い分野の仕事が受注できた際に、
ノウハウが無いからと卑屈にならずに、
取引先から与えられた仕事に感謝して、全力で取り組む姿勢です。
これでダメなら、悔しいが今の俺ではまだ出来なかったんだな!と思えるくらいにやり切ることです。
これらの連続で専門性、しかも実践向けの専門性が身につきます。
この方法のポイントは、心に余裕があることが重要になります。
例えば、既存の事業が赤字、会社の運営がギリギリの状態で、
「これでダメなら、悔しいが今の俺ではまだ出来なかったんだな!」 と思えると思いますか?
きっと、「新規事業で成功しないと会社が終わる!」と思って、心に余裕がないと思います。
つまり、既存事業の基盤に守られることで新しいことに挑戦できる余裕が生まれるのです。
悪い点は
既存のビジネスに余裕がないと出来ない方法であること、
熱く本気になれる人でないと中途半端な結果になること、
そもそも失敗して損失を出すリスクがあること、 が挙げられます。
いかがでしたでしょうか?
専門性を身に付ける方法はいくつかありますが、
実際に身に付ける難しさを感じたのではないでしょうか?
だからこそ、中小企業は自分が出来る専門性を明確化して、
出来ないことは他の会社にお願いすることが大切なのです。
そして、自分が出来る専門性を全力で外にアピールすること(一種のブランディング)
ここまで出来れば、中小企業としては大成功です。
まずは自分は何をしたいのか?何なら人の役に立てるのか?
これを明確にすることが独立のスタートかもしれませんね。