卵のたんぱく質は貴重なアミノ酸が豊富に含まれるので、非常に優秀なたんぱく質と言えます。

 

一方で、卵はたんぱく質だけでなく、その他の栄養素も豊富なのです。

卵が完全栄養食と言われるのはそのためです。

 

いくつか挙げていきます。

 

卵に多く含まれる重要な栄養素

 

セレン:ミネラルの中ではセレンが特に優秀です。セレンは活性酸素除去酵素のグルタチオンペルオキシダーゼやセレン単体もビタミンCやEと協力して抗酸化に働きます。

 

アミノ酸 (メチオニン・ シスチンなど):肝臓でアルコールを分解するときに必要なメチオニンが   多く含まれています。また、弱った肝臓の回復力を高めるアミノ酸もバランス良く含まれています。

 

タンパク質:タンパク質には筋肉量・筋力の増大効果や、内臓脂肪・コレステロールの低下作用あります。またタンパク質には満腹感を高め、食欲を抑えるレプチンの分泌促進も期待できます。

 

ルテイン・ゼアキサンチン:卵黄中のカロテノイド色素で、ヒトの視力維持に重要な役割を担っていると言われています。

アメリカ人健常男性10名で10日間、毎日ルテイン6㎎を、タマゴ、ほうれん草、ルテインサプリメントから摂取した場合を比較した実験があります。その結果、タマゴから摂取した場合の血中ルテイン濃度は、サプリメントやほうれん草摂取と比べ、顕著に高くなったといいます。

 

卵黄レシチン(ホスファチジルコリン):卵黄の脂質であるレシチンに含まれる「コリン」は脳の発育に必要な栄養素です。海外では必要な栄養素として摂取目安量を決めている国もあります。

 

シスチン:卵殻膜にはシスチンが多く含まれ、美白作用が報告されています。化粧品の原料(弾力改善)や、布繊維の原料(保湿)などにも利用されています。また、卵殻膜摂取により膝関節の痛み改善効果が報告されています

 

 

コレステロールの心配がよくされますが、体内のコレステロール量は肝臓で常に一定に保たれるように生産されています。食事由来のコレステロールが多くなれば、肝臓は生産をしなくて済むので休むことができるのです。

コレステロールの重要な働き:すべての細胞膜の構成成分・胆汁酸の原料・ホルモンの原料・ビタミンDの原料

 

幼少期の6~9歳の子供に卵を毎日1個、毎日2個、毎日0個の3つの群に分け、6か月実施したところ、卵が多い群ほど体格の向上が見られました。また、骨密度や記憶力を上昇させるオステオカルシン濃度も上昇が確認できたという報告もあります。

 

卵は毎日1個と言わず、毎食1個は摂りたい食品です。

くれぐれも健康のためには 生 ではなく加熱して食べてくださいね。