メチオニンは必須アミノ酸の1つです。
そして必須アミノ酸のなかでも、最も不足しやすいアミノ酸の1つと言えます。
桶の理論をご存じですか?
必須アミノ酸8種のうち、
一つでも必要量より少ないアミノ酸が存在すると、
桶のように、水がこぼれてしまい、効率が悪くなる というものです。
このこぼれる原因となりやすいのがメチオニンです。
メチオニンは分子構造に特徴があります。
それは、硫黄(S)の元素を持つことです。
硫黄元素を持つことから、含硫アミノ酸 とも呼ばれます。
硫黄と言われると、温泉を思い出す人もいるのではないでしょうか。
硫黄には 角質を軟化させる作用や、殺菌、殺虫作用 があり、
皮膚疾患に良いと言われています。
生き物にとって、微量な硫黄は必要不可欠です。
しかし、硫黄を人の体内に直接入れることは推奨できません。
硫黄はメチオニンの一部として取り入れていくものです。
メチオニンの働きとして、
肝機能を高める効果・アレルギー症状を緩和する効果・うつ症状を改善する効果・老化防止の効果・ヘアケア効果
などが挙げられます。
必須アミノ酸なので、不足なく補うことが重要といえるでしょう。
サプリメントのメチオニンはグルコースなどを原料として、
微生物発酵のコントロール や 化学反応のコントロール によって作られます。
L-メチオニン と D-メチオニン が存在しますが、
人のからだで使えるのは L-メチオニンです。
そのため、よっぽどのことがない限り、L-メチオニンとして作られていますのでご安心を。
余談になりますが、
鶏卵の生産性向上を目的にもメチオニンは広く使用されています。
鶏の肥料にメチオニンを加えてアミノ酸バランスを整えることで、鶏の体内におけるアミノ酸の効率的な利用を促し、排泄物中の窒素酸化物(たんぱく質の残骸)を低減させるそうです。
鶏においても 桶の理論 が働いているのですね。
そのおかげもあって、鶏の卵には メチオニンが豊富です。
たんぱく質の摂取効率を上げたいのならば、
毎食1個、卵を入れるといいでしょう。